保険会社が示談交渉でよく使う8つのテクニックと被害者がとるべき対処法

保険会社 示談交渉 保険会社

交通事故に遭うと車両の修理や通院など、しなければならないことがたくさんあります。

さらには、加害者の加入する保険会社と示談交渉を進める必要があります。保険会社は交渉に慣れているため、被害者の過失を大きく主張したり、時価額を小さく提示したりするのはよくあることです。

そんなとき保険会社が使ってくる交渉テクニックとその対処法を知っていれば、動じることなく交渉ができるでしょう。以下では保険会社がよく使う示談交渉のテクニック8つと対処法をお伝えします。

保険会社が示談交渉でよく使う8つのテクニックとは

 
保険会社は営利企業ですので、被害者への保険金の支払いをできるだけ少なくしたいと考えます。そのため、保険会社の担当者には、様々な交渉テクニックが会社から教え込まれています。

保険会社がよく使う8つの交渉テクニックを見ていきましょう。

保険会社の担当者は客観的な判断をもとに主張を通そうとする

過失割合を決める際には、どの保険会社も「判例タイムズ」や過去の裁判例を根拠に、過失割合を提示します。「判例タイムズ」とは東京地方裁判所が作成した冊子で、民事交通事件訴訟事案の解明や審理がより適正かつ効率的になるよう作られました。

様々な事故形態を基準化し、道路交通法の優先権や運転慣行から基本的な過失割合を示している冊子で、訴訟の場面で参考にされることが多く、交通事故の解決に広く利用されています。

もし「判例タイムズ」に当てはめることができない事故形態の場合は、保険会社の担当者が過去の裁判例を調べ参考にしますが、その際に、裁判例を自社に都合よく用いることがあります。

そのため保険会社が提示する過失割合は、最終的にはあくまでも保険会社の担当者の客観的な判断により最終的に決定されます。そして、担当者はその判断材料を強く主張してきます。そのため、被害者の方は「担当者がそう言うならば間違いないのかも?…」と、主張を受け入れてしまうケースがあります。

保険会社が自信を持って過失割合を提示してきても、安易に納得せずにその根拠を見せてもらうことが重要です。そして、自分の事故に本当に適用できるか確かめたほうがいいでしょう。

保険会社は時価額を調整して被害者を操ろうとする

交通事故で車が大破してしまうと全損判断をされることがあります。その際に保険会社は車両の賠償金の支払いは時価額(現在の車の価値)が限度と言ってくるでしょう。

たしかに加害者が賠償義務を負う範囲は時価額が限度ですが、時価額は保険会社が決めているのです。時価額の算定の根拠は、レッドブックや新車価格の10%、中古車の市場平均価格などがあります。

保険会社は支払う保険金を少なくしたいので、まずはこれらの中から最も安い時価額を提示します。被害者が納得しなければ保険会社は少しずつ時価額を上げますが、最大いくらまで上げるか予め決めてその中で交渉していることを覚えておきましょう。

専門用語を使って説得してくる

保険会社は示談交渉をスムーズに進めるために、顧問の弁護士や医者ともよくやりとりをしています。そのため保険会社の担当者は法律や医療の知識が豊富にあり、専門用語も使い慣れています。

示談交渉中に保険会社の担当者から専門用語を使って説得されると、被害者は普段聞くことのないことばに戸惑い、説得力があるように聞こえてしまうことがあります。専門用語が理解できないときは、簡単なことばで説明してほしいと伝え、もう一度話を聞き冷静に判断しましょう。

少額の損害を認め、被害者の主張を通したと思わせる

交通事故に遭うと、車の修理費・怪我の治療費・慰謝料などの他にも様々な種類の賠償金交渉をしなければなりません。

示談交渉中に保険会社から「片方は被害者の条件通りに賠償するのでもう片方は保険会社の提示を受け入れてほしい」と言われることがありますが、その時は二つ返事で承諾せず一旦保留にして考えるのがよいでしょう。

保険会社は先の交渉で優位に立つためにまず少額の損害賠償を認め、被害者を満足させようとしているかもしれません。

「自賠責基準」または「任意保険基準」で交渉してくる

交通事故の慰謝料の算出基準は、基準が低い順に自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準と3通りあります。保険会社は被害者と慰謝料の交渉をするとき、自賠責基準または任意保険基準で算出した慰謝料を提示します。

自賠責保険は強制保険のため補償は最低限度になっており、したがって自賠責基準も弁護士基準と比べるとかなり低くなります。任意保険基準は各保険会社が独自に定める基準なので、算定基準は保険会社によって異なります。

各保険会社が過去のデータから損害額を算出して基準を決めているといわれていますが、弁護士基準と比べるとこちらも低くなります。弁護士に依頼をすれば弁護士基準で慰謝料が算出されるため慰謝料の額はとても上がります。

示談に応じないと保険金を払えないと言ってくる

保険会社と示談交渉している期間も日々の生活でお金は必要です。保険会社に半分でもいいので保険金を支払ってほしいと伝えると、示談していないので払えないと言われてしまうことがあります。

保険会社は早く示談をしてなるべく少ない保険金を支払いたいので、被害者がお金に困っているのを逆手に取って示談を進めようとすることがあるのです。

被害者はお金がほしいので、渋々示談をしてしまいそうになるかもしれませんが、それでは保険会社の思うツボです。示談解決をしなければ一銭も保険金が支払われないということはないのです。

保険会社は毎日電話をして根負けさせようとする

被害者は示談が成立するまで保険会社と何度も交渉をしなければなりません。保険会社との交渉は時間をとられ精神的にも疲弊するのでなるべく回数を減らしたいですが、保険会社は毎日電話をかけて交渉をしてくることがあります。

この場合の保険会社の狙いは、被害者の根負け、または被害者に親近感をもたせることだと考えられます。被害者が根負けして保険会社の提示した条件に納得すれば示談できますし、被害者が保険会社の担当と何度も会話するうちに親近感を覚えれば条件を譲歩してくれるかもしれません。いずれにせよ毎日電話することは保険会社にとってメリットが大きいのです。

「まさか~」と言わせようとする

交通事故の状況を説明するときや示談交渉をするときに「まさか加害者の車が飛び出してくると思わなかった」など「まさか~」と言いたくなることがあるでしょう。

しかし、「まさか~」は自分の過失を認めるセリフになってしまうので注意してください。交通事故でいう過失は「予見回避可能性があったかどうか」で判断されます。つまり予見・回避ができる可能性があった場合は、被害者にも過失が認められるということです。

「まさか~」という発言は予見することができたと判断する要素となるため、保険会社の担当は被害者から「まさか~」というセリフを聞くとその部分が過失だと主張します。主張したいことがたくさんあっても、余計なことは話さないように気をつけましょう。

被害者が示談交渉でとるべき対処法

保険会社が示談交渉で使う8つのテクニックについてお伝えしましたが、被害者がすぐにできる対処法も合わせて紹介します。知っておくだけで落ち着いた対応ができますので、目を通してみてください。

仮渡金もしくは内払金を請求する

保険会社との示談交渉が長引いているが、一部だけでも先に示談金がほしいという場合、仮渡金もしくは内払金を請求しましょう。仮渡金は事故の責任の有無に関係なく請求できる、自賠責保険の仮渡し制度によるものです。

仮渡金の請求は1回しかできず、最終決定した保険金額より多かった場合はその差額を返さねばなりません。内払金は人身事故で治療が長引く場合、120万円を上限として1回に10万円以上を示談前に支給する内払制度によるものです。

内払金は何度も請求できますが、診断書など書類が必要なのでなるべくまとめて請求したほうがいいでしょう。

部分的な示談ができるか交渉する

保険会社と被害者がすべての賠償項目に合意するまでには時間がかかります。しかし慰謝料のみ納得できない、など部分的に示談交渉が必要な場合も多いのではないでしょうか。

そのときは、解決している項目だけ先に示談できないか打診してみましょう。示談をすると基本的に撤回はできないのでよく確認しなければいけませんが、自分が納得している項目を先に示談解決すると、争点がはっきりして交渉しやすくなるかもしれません。

自分が納得できる条件よりも少し良い条件を提示しておく

保険会社の示談交渉のテクニックで紹介したように、保険会社はどこまで被害者に譲歩するかを予め決めて交渉しています。

そのため少し譲歩してもらったとしても、保険会社としては予想の範囲内ということになります。被害者側も初めに提示する条件は、自分が納得できる条件よりもさらに良い条件を提示し、交渉の中で保険会社に歩み寄って譲歩してあげたという印象をつけましょう。

弁護士に示談交渉を依頼する

弁護士に示談交渉を委任すると、保険会社との面倒なやりとりを全て代行してくれます。保険会社と示談をするまでには、交通事故証明書・事故発生状況報告書・休業損害証明書など様々な書類を提出しなければなりませんが、それらの書類も弁護士が揃えてくれます。通院をしながら書類を集める手続きをするのは大変なのでとても助かるでしょう。

さらに慰謝料を請求する場合、適用される算出基準は最も高い弁護士基準になり慰謝料の額が上がります。弁護士基準での金額の算出方法は、過去の判例を参考にしています。裁判をした場合このぐらい金額を請求できる、という基準として考えることができるため自賠責基準・任意保険基準に比べて高額になります。

まとめ

保険会社は様々なテクニックを使って示談を有利に進めようとしますので、対等に交渉するためには弁護士に依頼をすることをおすすめします。

まずは、ご自身のケースで示談交渉が有利になるかどうかをするかどうか決めることもできるので、まずは一度相談だけでもしてみましょう。

タイトルとURLをコピーしました