被害者が交通事故の示談の際に知っておくべき8つの予備知識

交通事故に遭うと、加害者の加入する保険会社との間で示談交渉をする必要があります。保険会社は法律や医療の知識を豊富に持っているため、示談交渉のプロといえます。

保険会社の提案を鵜呑みにして従うと、自分の納得できない示談内容になってしまいます。そんな事態を防ぐために、交通事故の被害者が保険会社との交渉で注意すべき重要なポイントをお伝えします。

交通事故の示談で知るべき予備知識

安易に示談内容に合意しないこと

加害者の加入する保険会社は、被害者の味方をしてくれません。保険会社は営利目的の企業なので、被害者に支払う示談金が少ないほうが得だからです。また保険会社は大量の交通事故案件を抱えており、とにかく早く示談をして案件を処理したいと考えています。

そのため保険会社から色々な提案をされても、その内容は被害者にとって不利な条件のことが少なくありません。内容をよく聞いて、納得できるまでは了承しないようにしましょう。以下に挙げるような、予想もしていなかったトラブルに巻き込まれることがあります。

保険会社と加害者はこまめに連絡を取り合っている

保険会社は、加害者の示談交渉を代行しています。そのため保険会社と加害者は頻繁に連絡を取り合い、交渉をどう進めるか話し合っています。保険会社と被害者が電話や面談で会話をした内容は、加害者にもすぐに伝わると考えましょう。

したがって、保険会社からの提案を二つ返事で了承した後で不満に思う点が見つかり、取り消そうとしても時既に遅しということがあります。

その提案に法的拘束力が生まれるわけではありませんが、一度了承したのだから、と加害者が取り消しを認めてくれないことがあります。交通事故の本文とは別のところで揉めてしまうと示談成立がさらに長引き示談金を受け取るのも遅くなります。

一度示談すると撤回できない

示談が成立すると、原則として撤回はできません。示談書は専門用語が多く分かりづらいですが、示談金の詳細について自分が納得できるかどうか再度確認しましょう。代表的な示談金の項目は、車両の修理費や怪我の治療費、慰謝料、休業損害などです。

しかし加害者に請求できる費用はこの他にもあります。中でも見落としがちなのが、通院にかかった交通費や着衣損害の費用、交通事故によって破損した積載物の修理費などです。これらは自己申告し、示談金に含めてもらいましょう。

車両の時価額は交渉で上がる可能性がある

大きい交通事故に遭うほど、車両損害もひどくなります。修理ができれば問題ないのですが、原状回復できない場合は保険会社から全損判断をされることになります。

全損とは「破損が大きく修理が不可能な場合」、「修理が物理的に可能であっても、修理費が車両の時価額(現在の車の価値)を超えると予想される場合」を指します。

しかし全損判断をされたとき、加害者が賠償義務を負う範囲は、車両の時価額までとなります。そのため被害者は新車購入や、修理にかかる費用を一部自己負担しなければならない可能性があります。自己負担をなるべく少なくするには、時価額を上げる交渉をすることが重要です。

保険会社の時価額算出方法とレッドブックの存在

保険会社がまず初めに提示する時価額は、レッドブックか新車価格の10%が根拠となるのが大半です。レッドブックとは、自動車の平均取引価格をグレードや年式、メーカー別に一覧にした冊子です。

レッドブックに記載があるのは、国産の乗用車や軽自動車で、7~10年前までに発売された車種の情報です。レッドブックに記載のない外車や年式の古い車は、新車価格の10%が時価額と判断されることが多くなっています。

しかし時価額は、市場平均価格を根拠にした交渉が可能なのです。

保険会社からレッドブック・新車価格の10%で時価交渉をされたときには、すぐに納得しないようにしましょう。レッドブックは、車両本体金額のみの平均額を記載しているので、実際の購入価格よりは低額です。

またレッドブックは事故車・無事故車両どちらも含んだ平均金額の記載であるため記載金額が低くなっていることがあります。そのため、実際に現在売買が行われている中古車市場をインターネットなどで調べると、レッドブックや新車の10%の価格よりも高値であることも多いです。

少々手間がかかりますが、インターネットに記載のあるものについては保険会社に提示して主張する十分な根拠になります。

治療打ち切りをされても通院を続ける

通院は事故後なるべく早く開始しましょう。通院が数週間後になると、事故との因果関係が証明できず治療を認めてもらえないことがあります。適切に通院をしているのであれば、保険会社から治療の打ち切りを打診されても、治療を辞めずに通院を続けましょう。

主治医から完治または症状固定と診断を受けるまでは治療費は保障されるのでご安心ください。また、後遺障害等級認定をするときには、症状固定までの期間に十分治療が行われたことを証明しなければなりません。

そして最終的に受け取ることができる慰謝料も通院日数によって変わります。そのため自己判断で通院の中断はしないようにしましょう。

自分の加入している任意保険会社にも連絡をする

保険会社から治療打ち切りをされてしまい、自分で治療費を立て替えて支払うことができない場合は、自分の加入している任意保険会社に相談すると人身傷害保険特約を使用することができます。

人身傷害保険特約を使用しても等級は下がらないため自分にデメリットはありません。また任意保険会社に連絡をすると、自分の任意保険の補償の中で使用できる特約がないか確認してもらえます。

例えば入通院定額費用特約に加入している場合、条件を満たすと一時金が支払われます。

困ったときには弁護士に相談すること

自分ひとりで示談交渉をするのは、時間をとられてしまいますし精神的にも疲弊します。その上交通事故示談交渉のプロである保険会社と対等に交渉するのは難しいでしょう。

納得のいかない内容で示談をしてしまい泣き寝入りしないためには、交通事故に遭ったらまず弁護士に相談をすることを強くおすすめします。

弁護士には交渉や書類準備などを委任できる

弁護士に依頼をすれば、保険会社との交渉はもちろん、示談に必要な書類の準備などをすべて代わりに行ってくれます。交通事故の示談交渉に必要な書類は、交通事故証明書・事故発生状況報告書・診断書など取り寄せの手続きが煩雑なものばかりです。

車両修理の段取りをとったり通院をしたりしながら、自分で書類を揃えるより、弁護士に一括してまかせたほうがいいでしょう。

弁護士に委任をすることで慰謝料の額は大幅に上がる

慰謝料の算出基準は、基準が低い順に自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準と3通りあります。弁護士に交渉を委任すると、適用される算出基準が最も高い弁護士基準になるため、慰謝料の額が上がります。

弁護士費用特約をつけていれば、これらの弁護士費用は保険会社が支払ってくれるので、自己負担なく相談することができます。もし弁護士費用特約をつけていない場合は、無料法律相談や着手金無料の弁護士へ相談してみるといいでしょう。

納得できる示談をするために、まずは弁護士相談をしましょう。

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